「PR」の底力。~広告はウソつき~VMLab 辻井良一
広告は嘘つき?
調査などによると「広告は信じない」と言うユーザーの声が多いようですが、その【広告】を大辞泉で引くと、
1)広く世間一般に告げ知らせること。
2)商業上の目的で、商品やサービス、事業などの情報を積極的に広く宣伝すること。とあります。
では【宣伝】は?と引くと、
1)商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせること。
2)事実以上に、また、事実を曲げて言いふらすこと。
とあります。なるほど、広告≒宣伝≒嘘も混じると、辞書に書いてあるくらいなのだから、信じてもらえなくって当然?
では、PRって何?
辞書の【広告】の項には、ずらりと広告の類語が並んでいて、今さらながら面白く感じます。
1)広報・公告・布告・告示
2)宣伝・PR・アドバタイジング・コマーシャル・CM・プロパガンダ・触れ込み・アナウンス・周知・・・とあります。
1)と2)の区分は、商業目的か否かの区別。もっと厳密に言うと、広告の発信で何らかの反応を求めるという、目的意識が明確なのが、2)のグループのようです。
我々の議論は、当然この、2)の方になるのですが、あれ?待てよ。「PR」の日本語訳は何?≒「広報」?でもそれって、1)のグループにある言葉ですね・・・。
ここが、これまでの(日本の)マーケティング・コミュニケーション上で、PRが脇役だった理由?
実は、歴史的にも「PR」こそ「宣伝」と並ぶ「広告」の重要手段なのに・・・・ですね。
新しい「マーケティングPR」の芽生え
いわゆる「Buy Me」の広告や販促の限界を強く感じていた中、実は最近になって大いに新しい発見をしました。ファッション業界に強い広告代理店、コスモ・コミュニケーションズ(枝廣宇人社長)の【PRミックス】論とその実践です。
http://www.cosmo-com.jp/
平たく言えば、純広+PRの立体的展開手法。雑誌編集部と深く組んでのタイアップ企画や、メディア向けの説明会などの、有効な組み立て方のノウハウと実践体制なのですが・・・これが実に平たく無く、奥深く、まさにこれからの可能性に満ち満ちていると感じられました。
コンテンツとして魅力的な内容
日本での一般的な「PR」と言うと、お堅いリリースを書いて媒体社に発信するイメージですが、コスモ社は違います。APの一人ひとりが、クライアントと深く話し込み、どんな雑誌にどんなイメージのページが載れば、Brandにとってプラスかを「アドマンのセンス」で考え、雑誌社の編集部と一体になって、ノンペイド・ペイドの組み合わせで、「アウトプットのコントロール」の効いたPR、雑誌の「コンテンツとしても吸引力のある露出」を実現してゆきます。 これは雑誌社とクライアントのWIN&WINです。
今までは、ファッション業界が中心のニーズでしたが、この手法は今後、さまざまなジャンルの商品/Brand/企業にとって不可欠のコミュニケーション手法になってゆくと考えられます。
情報自主選択の時代だからこそ、広告 < PR。
実は、先ほど辞書を引いていて「やはりな・・」と、気づいたことがあります。それは、広告や宣伝、PRなどの解説の全てが、「情報とは、もっぱらに発信する側と、もっぱらに受け取る側が分かれているもの」と言う基本認識の上で説かれている点です(≒20世紀の認識)。
もう耳にタコで辟易気味かもですが、時代は【Web2.0】。
マスメディアは当然残るが細分化が進む。CGMも限りなく成長しクチコミが力を持つ。情報環境は立体化、複層化し、自主選択的、自主参加的なものになってゆく。
そんな中、売り手が語る=Buy Meの広告≒信じづらいのは当然。使い手が語る=玉石混交のクチコミ≒これもにわかに信じては怪我の元。
広告は??でも、記事は信じられる
そこでいよいよ「PR」の可能性が際立って来ます。情報のプロであり、価値の目利き力に優れた「編集者」がつづる記事は、何よりも信じられる。ましてや、自分の選んだ(≒価値観を支持している)メディアで取り上げられているのですから。
新聞は、総じて信頼性の高いメディアですので、そこでのPR効果は最も有効。一方で雑誌は早くから、自主選択化が進んだメディアでした。また、広告とコンテンツ境界が薄いことも特徴ですので、ターゲットの価値観にあったPRに有効なメディアです。
共感するブロガーのリコメンドも、TVでのプレイスメントもこれに通ずるものですね。要は広告とPRとCGMの渦の中で、誰に何を語らせる「仕組み」を作って行くのかがポイント。もちろん更に言えば、語られるべき価値を作れるか、なのですが。(≒Value Marketing)
広告で何を語るべきか
あっ、それともう一つ。本当は「広告」で伝える内容を置き換えればいいんですよね。嘘っぽい「Buy Meメッセージ」から、信じてもらえる「事実の告知」や「CSR」(企業の社会的責任)的な活動の告知などに。
全く逆に、ユーザーに媚びない姿勢。Brandならではの強烈な個性を発信する、アート志向のADも、他の施策と組み合わせれば有効。
広告は不要ではなくて、従来の機能は低下。・・・・パワーマーケティングの時代を支えた「広告」には、さまざまな次の役割が期待され始めています。
*当VMLabでは、コスモコミュニケーションズス社の雑誌社ネットワークやDGグループのCGM機能をはじめ、さまざまなルートを生かした、有益な「マーケティングPR」と「新しい広告」の実践を、積極的にサポートします















