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「オーガニック・コミュニケーション・ミックス論」のご紹介論者:慶応義塾大学 井上哲浩 教授  紹介者:VM Lab 辻井良一

今、私が最も注目するマーケティング学者の一人が慶應義塾大学の井上教授です。その井上教授の展開する論理の中でも、一番分かりやすく一番示唆に富んでいるのが、「農業」に例えて、クロスメディア時代のマーケティング・コミュニケーション戦略を解く「オーガニック・コミュニケーション・ミックス論」です。

*とても分かりやすい、井上教授のレポートがあります。是非お読みになってください
http://www.keiomcc.net/terakoya/2007/08/report54.html


井上教授の理論を超シンプルに言えば

  1. 売り手都合の広告を、いきなり荒地にばら撒いてもブランドは根付かない。(「知識構造化」が図れない)
  2. 先ず、土に水と肥料をやり「耕しておく」ことが先決。(=PRやプロモーションが先行すべき)
  3. その上で、リーチの効くメディア(=TVなど)で、広告を打つのは「種をまく」行為と似ている。
  4. まいた種を育て「実りを得つづける」ためには、さらに継続的に畑を世話することが必要。(=H/P・Blog・CRM・Etc)
  5. そして、根付くために重要なもう一つの要素が、テーマの「ソサイアタル」(≒社会共感)性だと。

情報の「受けて側」からの視点

広告代理店の都合で分けた「アバブザライン」「ビローザライン」は言語道断ですが、井上教授の説くコミュニケーション戦略の根本は、全てを、情報の「受け手側」からの視点で考えてゆかなければいけない、というところにあると感じます。

生活者が、ある情報を受け入れて自分の「知識」とした時、その情報を届けたものが、Brandの根付きに有効な「媒体」だったのだと。
さらにWeb2.0的に言えば、情報の「送り手」vs「受け手」は対峙する関係ではなく、生活のフィールドで「情報を共有」して、「共生」するもの同士だと。
これこそ、クロスメディアを考える上で、最も重要な発想の転換ポイントだと思われます。

「PR」が先行できれば、「広告」は効く

クロスメディアなんだから、もっと、有機的に絡み合った・・・・コンタクトポイントごとの適性に沿った・・・・その場その場のコンテクスト(文脈)での・・・・・と、堂々巡りをしていた私は、この「オーガニック・コミュニケーション・ミックス論」に触れて、スキッと全てが腑に落ちた気がしました。

アル・ライズ著の「The fall of Advertising & The Rise of PR」(日本語版/ブランドは広告では作れない/翔泳社巻刊)は、ちょっと過激すぎて??の部分もありましたが、「PR」が先で「広告」は後、そのほうが市場は育つ。ブランドは根付く。という、本書の論理の根拠が、井上理論によって補完されたように感じました。

*井上教授は、実際に企業のマーケティングプロジェクトに参画して、幾多の成果を上げています。当VMLabでは、井上教授と連携したアドバイザリーワークを提供します。

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