マーケティングの話: 2009年11月アーカイブ

JALのマイレッジが気になって・・・。

再建の道筋が見えず、株価も急落のJAL(国内線)に、このところ立て続けに何度か乗った。

心なしか、スタッフの姿勢がいつもより低姿勢?何だかちょっと哀れにも思えて、ガンバレ!と言いたくなったり・・・いや、いや、そうじゃない!当然の報いだ!と思えたり。

だからと言って、乗る側から見れば、ANAとJALにどれほどの差異があるだろうか。

プレミアムシートや、Jクラス/1stクラスなどの設定で、多少の好評不評は分かれるものの、サービスの差はほとんど無い(スープの味も区別が付かない)。サービスのレベルで言えば、かの有名なNorthWestとでも比べない限り、どっちに乗っているのかも忘れてしまうくらいだ。(NorthWestは、これだけは・・・分かる/笑)

そのJALに、救いの手(なのか、魔の誘いなのか?)を差し伸べる世界一二の米国の二社も、揃って赤字経営だと言うのだから、航空会社と言うのはよほど儲からない宿命のもとにあるのだろうか?

航空会社のプロモーションと言えば”マイレッジ・プログラム”だ。

ご贔屓のAirLineに乗り続けたり、CARDのポイントと組み合わせたりすると、なかなかのリターンが帰ってくる。海外出張の多い社用族などは、カードで立替決済をしてポイントを貯め、フライトのマイルとWで集めれば、結構な魅力に映るはずだ。

だがこのマイレッジ・・・結局はルツボの構造だ。JALとANAと両方上手にためている人が大半だろう。

この構造を「囚人のジレンマ」と言うらしい。

共犯で逮捕された二人の囚人AとB。二人とも自供しない場合はそれぞれ2年の刑になる。刑事は言う「お前が自供すれば、お前は1年で済み、あいつが3年になる」と。Aは悩んだ挙句にBを裏切って自供する。Bがさっさと自供してしまったらバカを見ると思うからだ。

ところがBも結局は同じ道を選ぶ。結果は、ABそろって3年の刑に服すこととなる。

航空会社のマイレッジ競争もそうだが、スーパーの安売り合戦。廉価な弁当や激安の居酒屋・・・デフレの構造はこうして進む。デフレは庶民にウェルカム?・・・イヤ、その先にはさらに大きな囚人のジレンマが待つことになる。不況のスパイラルだ。

それはそれとして、鳩山内閣と前原国交相に進言!JALの再建が仮に法的整理に至ったとしても、消費者の宝物のマイレッジは失効させない方がいい。

マイレッジの失効は、(不肖辻井を筆頭に)有権者の不興を買うこと甚だ大きいと思われる(笑)。

でも、事情通の間では、今のうちに使っておいた方がいいという話が回っているんあだよなあ~。

モザイクの哲学/エコトノハの中村雄吾氏UNICLOと、マイケルジャクソンSite

僕が大好きで応援している仕組みのひとつに”Pit”と言う実に面白いのがある。

ケイタイで撮った写真にメッセージを添えて送信すると、数千数万の写真とメッセージが、次々に自動編集されてモザイク画の画面になってゆく仕組みだ。大勢の人の思いと画面のモチーフが合体してゆく。

象徴的な実施例は、例えば阪神タイガース久々の優勝時。星野監督の歓喜の胴上げシーン写真をモチーフに、ファン達が送った写真と応援メッセージが、胴上げ写真と合体した。

九州・博多の小さな会社のみんなが思いつき、苦労してj開発し、システム化の特許も取得して現在に至っている。

この仕組み、例えばミュージシャンのコンサート記念や、政党の応援ポスターなど”強い思いや求心力”のあるテーマにさまざま応用できると考えて、僕はことある毎に、Web上での活用などを提案し続けてきている(・・・が、なかなか実現しない/残念!力不足?)

そんなこの頃、嬉しいやら悲しいやら、同様の発想の成功事例を立て続けに目にすることになった。

ひとつは、かのエコトノハで有名な中村雄吾氏のUNICLOの「モザイク展開」だ。そこには、エコトノハ以来の氏の哲学が脈々と流れている。実に素晴らしい出来だし、素晴らしい方だと思う。

もう一つは、かのマイケルジャクソンのTHIS IS ITで展開されている「モザイクWeb」だ。こいつもすごい出来だ。

すわ!Pitの特許が盗まれたのか?まねされたのか???

・・・・・違う。企画の世界ではいつもそうだが、共感性の高い優れた企画はたった一人が思いついているのではない。同時多発的に色々な人たちが、いろいろな場所で、色々な課題から思いついているものなのだ。(注:Pitの特許性は、モザイクの活用ではなく、その自動編集機能の部分が主)

そうして、優れた発想や手法は、誰かがどこかで先にやってしまったから色あせると言うものでも決してない。そこにある必要に充分に応えているのならば、そしてそこにオリジナリティーが息づいているのなら、二番手でも三番手でも堂々とやるのがいいのだ。そして本物は・・・往々にして後からやってくることが多い。

さてこの「モザイク」には、宇宙の節理にかなった哲学が宿ると、僕は感じている。

遠くから見るとひとつの物体。近くによるとさまざまなものの集合体。さらに寄れば、それは分子の世界になり、さらには原子のミクロになってゆく。

このモザイクの深さ、広さは・・・・これからの共感性のマーケティングには親和性が高いと信じる。

生物多様性。

今、Googleで「生物多様性」と入れて検索すると、TOPに「生物多様性の取り組み」とでてくる。

そこをクリックすると「生物多様性の取り組み」・・・(実は積水ハウスのサイトなのだが)に飛ぶ。

このSEO、実に上手いと思う。色アミがかかっているから、確かにスポンサーリンクのスペースなのだけれど、生物多様性のオフィシャルサイトはないかと探していた僕も、まんまと引っかかって、たっぷりと積水ハウスの洗脳を受ける身となってしまった。

Google上の見出しに「積水ハウス」の文字が無いところだけが、唯一の工夫なわけだけれど・・・。飛んでいった先のページも、検索している人の心境に合ったつくりで、(つまりスポンサー色が薄く)テーマに沿って納得の行くストーリー構成になっている。

里山を意識して、庭に、地域の自然環境に一体化する雑木類を植えることで、生態系の保護に貢献しよう。3本は鳥のために、2本は蝶のために・・・”5本の樹計画/積水ハウス”と言う提案だ。

言わば、自宅の庭を、生物多様性を支える”ビオトープ”にしようと言う提案で、この運動、なかなかステキだなと感じてしまう。積水さん頑張ってほしいと感じた。

仕事でちょっと調べているのだけれど、この「生物多様性」のテーマ。来年くらいからは相当に広がりのあるキャンペーンになりそうと聞いている。

つまりは、我々の生きるこの星の未来を、みんなで考えようと言うことだ。温暖化防止・チームマイナス6%がHow toの運動だとしたら、こちらはまさにWhat for.多様な命の大切さは、ひいては我々の未来の大切さと繋がる。

ビオトープの今後も、今僕が、楽しみに見守っているテーマのひとつだ。

CSRキャンペーン続々!

僕らが恐るおそる、ネピア「千のトイレプロジェクト」の準備に取り組んだのは2007年の秋のこと。まだほんの2年前のことだが、当時は先行するキャンペーン事例はほとんど無く、日本の社会で、こうしたCSRのマーケティング化=CRM的なアピールが受け入れられるのか否かの保証はほとんどなかったことは、もう何度も述べて来た。

ここへ来てスゴイ! 雨後の竹の子、続々の様相だ。

けっして悪いことではない。多くの企業が、ブランドの使命とサスティナビリティーに目覚め、自らの内発的な意思で社会貢献に取り組めば、その個々の取組による実効効果もさることながら、何よりも、そうした社会的な問題の周知に寄与し、この国自体の意識のレベルが上がり、明るい未来に繋がる土壌が育つ。

どんどんやるべしだ。

個々の取組みの姿勢の是非や、CRのよしあしや、トーナリティーの多少の違和感などはとやかく言うべきではない。

言うべきではない!・・・と、思いつつ、ついつい気になる。

ここのところで、一番目立っているのは・・・アサヒスーパードライのあれか?うまい!を、明日に!」プロジェクト

僕がそれをはじめてみたときは、とっても手作り感覚の(ちょっとダサい感じの)A4三つ折パンフレットだった。

へ~アサヒが? こんな地味なパンフレットで? 一県一善みたいな・・・手作り感覚で、ずいぶんベタな企画だけど素朴でいいじゃん! 

あれ?でも、1本1円!!! とはずいぶん太っ腹!思い切った額の拠出だな~~と行った程度に受け止めていた。

なんと!TVが始まった。「No1の責任」と来なすった。

そのコピー、TV広告で面と向かって聞かされると・・・ちょっと違和感が先に来る。

プロフィール

VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
www.vmlab.jp

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