マーケティングの話: 2009年4月アーカイブ

ちょびエコ・・・はじめに言葉ありき。

昨年の秋から取り組んできた”ちょびエコ”のプロジェクトが、もう一息でローンチになる。(先日も、ちょびっと書いた)

はじめに言葉ありき。 で、このコピーの生みの親は、D社の良心?のような、コピーライター並河氏。会心の作だと確信している。

氏がこのコピーを思いつくもととなるコンセプトの部分を、ぐちゃぐちゃのメモとダラダラの話で説明したのは僕だから、僕も多少は貢献した?と、自負している(エッヘン!)のだが・・・???

さてこの、ちょびエコの”ちょび”は・・・そのまんま・・・ちょびひげとか、ちょびっととかの”ちょび”だ。背伸びしない自然さと、何よりもカワイイと感じ取れる語感から、スタッフ全員一致で支持された。

では、ちょびエコの”エコ”は何?

と言うと・・・まあ、正しくは”エコロジー”なのだけれど・・・僕としては、これはもう、Ecologyと言う語源を卒業して、日本語として根付いた”エコ”と言う、二文字のカタカナだと思っている。

では、エコロジー:Ecologyとは?と改めて聞くと、意外と正確な答えを知っている人は少ない。正解は「生態学」なのだが・・・ もっとも、19世紀くらいに、ドイツの科学者によって造語された言葉だそうなので、そんなに深くは無いようだ。→Yahoo百科事典(あまり上手な説明ではないようにも感じるけれど・・・)。

実は、プロジェクトの過程で、このエコ(≒Eco≒Ecology)という、ネーミングが妥当か?と言う部分での検討があった。

プロジェクト自体が、正面切ってEcologyを論じる姿勢とは一線を画したかったからだ。

僕は、このカタカナの”エコ”は、現在を生きる日本人の感覚の中にある”エコ”であって、いまや既に語源であるEcologyとは袂を分かって、新しい(固有の)世界を持っていると考えて、この案に傾倒した。

下町の奥さんが「あなたちょびエコよ~!」と言い、渋谷のギャルやヤンママ辺りが「それってちょびエコじゃん?」と語り、レゲエのお兄さんが「オレちょびエコっす」・・・とかとか、言ってくれる感じが夢だ。

言葉は生きている。 いや、言葉が先にあって、それが人を動かし、意識を創り、命(エネルギーや胎動?)を生み出すと言うほうが正しいかも知れないと、僕は考えている。・・・はじめに言葉ありき。は、無宗教だけれど無神論者では無いかもしれない僕が、聖書の中で一番好きな言葉だ。

ロハスは主義でありスタイルだ。 エコファーストは心得であり方向だ。 CSRは使命や務め? エシカルは思想や姿勢かな?

ちょびエコは・・・もともっともっと、自然なくらしの意識に根付きたい。

マーケティングとは・・・「新たな価値の創造」だ。 だとすれば、言葉のチカラで、新しい価値観の領域を創出(=意識化)して行くことは、マーケティングの仕事の中でも、最も創造性に富んだ領域だ。

全くの蛇足だけれど・・・PCで「マーケティング」と入力し損なうと、時々、「マーケ天狗」と出てしまう時がありませんか?!おっちょこちょいの僕はそれがしばしばで・・・そのたびに独り赤面、失笑して、慌てて入力しなおしています。今度は一度、このネタで書いてみようかな?(笑)。

エシカルに考えるマーケティング。

王子ネピアの仕事をお手伝いさせていただいて、もうずいぶんになる。

最近では、2008年にスタートした「ネピア千のトイレ」のプロジェクト。これが2年目の2009年の活動に入り、また、東ティモールに渡航する準備などに忙しい中なのだけれど、それとは別にもう一つ、「ちょびエコ」と言うプロジェクトが、もうすぐローンチになる。肩肘張らずに、できることからちょびっとずつ・・・世の中にいいことを、と言うくらいの意味なのだけれど、これも、やらせていただいて実に楽しい仕事になった。(6月には全貌をご紹介できる)

さらに同社とは、もう一つ二つ、新しいマーケティングのトライアルも議題に上りつつあるが、総じて全ての基底にあるのは・・エシカル【Ethical】な着想だ。

僕が「エシカル」と言うカタカナに触れたのは最近のこと出、先日もちょっと書いたが、知ってみるとこの言葉なかなかいい懐を持った言葉のように思える。

道義的な、とか、倫理上のと言う原義だが、UKあたりで近年言いまわされているニュアンスでは、もう少し新しく「人として正しく・・・」くらいのニュアンスだろう。

企業の姿勢を、エコ?から切ると・・・”エコファーストな考え方”と言ったような言い方をする。

エコに限らず、社会に善な取り組みを・・・と言ったときに、実は余り適切な言葉が浮かんでこない・・・CSR?

社会に良かれと言う姿勢をとることを言おうとすると・・・いきなり”CSRへの取り組み”と言うくらいしかなかった。

これではどうにも、ニュアンスが伝わらない。

その点”エシカル”は、形容詞だから実にいい(便利だ)。

エシカル・マーケティング

エシカル・コンシューマー

エシカル・カンパニー・・・と、つなげて行ける。広がりが生まれる。

企業の取り組み姿勢と言うよりも、生活者の選択の価値基準に繋がるニュアンスがある。

さらに言えば、企業も、人も、ともに社会に生きる「市民同士」であるところに思いがつながりそうなのが実にいい。

~はじめに言葉ありき~ 人間の行動は、ある意味、言葉に導かれることが多い。

エシカル(Ethical)と言う形容詞が包括する世界は広いし、それは、漠然とした、これからの方向を、ある意味上手に示してくれる。

エシカル・シンキング・・・。この時代の企業活動や、生活者のあるべき発想の起点としてふさわしい。(僕の崇敬する原丈人さんの「公益資本主義」は、まさにこのエシカルな発想だろう)

王子製紙の創業者、福沢諭吉翁は「道徳と算盤」と言っていた。全く同義の思想だろう。

カッパがいるか?みそ汁がつかないか?

沼と池の違いは・・・・カッパがいるかいないかだ、と教えてくれたのはDocomo。

ううう~~む、なぜか妙に納得が行く説明だった。

実際このCMの世界感には共感もしていた・・・のは僕だけか?・・・もっとも、それが何故Docomoの家族割り?の宣伝なのかを、論理的に理解するのはソートーに難しいのだけれど、言って見れば、まあそこが(共感と話題性という)CMの世界の不思議なところか。

今度は、490円ではみそ汁がつかない同士の、弁当とSoft Bankの家族割りに付いて考えることになった。

これもソートーに高度な哲学的、思索的アプローチで、妙に納得が行かないところが狙いな訳だ。 

こりゃ~これからのケイタイの世界は、よほどIQが高くないと着いていけないのかも知れない。

もともとあの家族構成を理解するのが2回転半くらいに難しかったのだけれど、そこは、圧倒的な露出頻度で、日本人なら知らない人はいない有名家族になってしまっているのだから、もう今さら何をかいわんやだ。

先日、天才バカボンのCMで感じたこととは、また全く違う角度から、今日も(テレビの)CMに付いて考えてしまった。

理屈で失礼すると、これがいわゆる「情報過負荷時代」のTVによる広告の一つの選択(≒結論)な訳だ。

アピールポイントが増えすぎて、かつ、競合差別性が薄れて、もう、正攻法での説明のしようが無いから、「奇手」×「リーチ」を持って注目と記憶化を狙う。 好意は・・・人それぞれ(&ターゲットのセンス)だ。

このクリエイティブに、代理店がしのぎを削る。 優秀なクリエイターが心血を注ぎあう。 莫大な広告費が費やされ、それは消費者が払う。

時勢に合わせて漂い流れ、CMは一定の(相対的)成果を、上げたり上げなかったりして、また次の工夫を生む。

時代に迎合しているそのCMが、とは言え一面では、大量の情報量で”文化”を創る側でもある・・・・。

結論は無いのだが・・・ちょっと考え込んでもしまう。

今、Suntory南アルプスの天然水のCMが流れた。大滝秀治さんの声が僕の腹に届いた。

ダルマの七転八起・・・SUNTORY OLD、中吊りワイド広告の爽快!

朝日新聞本社前の築地市場駅から大江戸線に乗って、大門から都営浅草線に乗り継いだ。

週刊誌、経済誌の広告の見出しが、どれもこれも”底なし大恐慌の喧伝合戦”に終始する中で、見つけた!爽快広告・・・SUNTORY OLD、人呼んでダルマ

神武景気から始まって・・・86年のバブル景気→92年のバブル崩壊→02年のIT景気→その崩壊→08年いざなみ景気→そして今回の世界恐慌・・・と、好況→不況の変遷を、中吊りワイド広告の横軸にとって、そこに立っているダルマと転んでいるダルマをずらりと並べている。そして最後は、上向き矢印で ”2009年 やるっきゃない!”と。

何だかすごく嬉しくなった!

このことを書きたくなって、またまたWebで広告の写真を探したのだけれど・・・まだUPしていない。

下手くそなケイタイ写真でもいいから撮って来ればよかったと・・・深く反省。(今度見つけたら撮ってきて貼り付けます)

”反省”と言えば、先日書いた某流通大手の広告だけれど、今日も仕事仲間と話した。あの広告は・・・やはりちょっとおかしいという意見が多い。

広告がおかしいだけじゃなくて、流通のリーダー・カンパニーが、いずれも単なる安売り合戦で・・・それでいいのかと言う疑問がふつふつと湧く。

安売り路線を選択する。と、これだけ大声で言うのなら、理不尽なメーカーへの値引き要請以外の構造的な改革で、安値を実現する政策を歌って欲しい。

デフレスパイラルは、人の心理と行動の連鎖が起こす人災だ。

 これ以上書くと、くどくなりそうだ・・・。

プロフィール

VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
www.vmlab.jp

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