マーケティングの話: 2009年3月アーカイブ

東京旅人。

都営地下鉄が、中吊りで、ちょっといい感じのシリーズ広告を続けている。

「東京旅人」

タイトルに欧文表記もルビも無いので、読みが判らないが、まさか”トンキンリョジン”じゃないだろうから”トウキョウタビビト”か?  ちょっと字余りな気きもするけれど、まあいいか。写真がいい。文も悪くない。なんと言うか・・・間がいい。ほっとする。

そんなに、飛びっ切り、ずどーんと感動するわけではないのだけれど・・・そこがまた・・・肩肘張らずにちょうどイイ。

東京の城、東京の老舗、東京の銭湯、東京の匠?・・・記憶は曖昧だが、そんな感じの、ゆる~い縛りのシリーズが、もうずいぶんと続いてきている。

都営地下鉄の沿線のスポットを巡って、ただただ、写真と紹介の文章でつづる。 クリエイターなら誰しもが思いつき、提案したくなるが・・・実際にはなかなか通らない企画・・・のような気がする。

それが・・・さすがお役所! 今時余裕あるな~~と言うのが実感だけれど、この仕事に携わっているスタッフは、楽しいだろうなと、うらやましく思う。

この広告のことは、いつか書こうと思っていた。 今日、さて書こうと思って、先ずは写真を探した(無いと話にならないでしょう?)。

都営地下鉄のHPに行けば、ずらりとシリーズが並んでいるだろうと思って、「都営地下鉄・広告」で検索したら、なんと!交通広告の「料金表」しか出てこない。 ええっ!て感じ。

見ると、この広告、やっぱりいい印象を受ける人が多いらしく、多くのブログに取り上げられている。・・・のだが、みなさん写真

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が無くて困っている。

たった一件、取り上げられた側が掲出しているポスターの画像があるので、それを拝借。(この方も、そうしていらっしゃる

残念! 僕としては「東京の城」と題した、江戸城のシリーズと、なんと言っても「東京の銭湯」の、大黒湯の富士山が好きだった。(この方がケイタイで撮っていらっしゃる)何しろ本当に、そのまま「大黒湯」まで、乗って行こうかとまで思った。 ちなみに、北千住だそうだ。

え~と本日のまとめ:クロスメディアの時代です。都営地下鉄さま、ぜひこの広告シリーズは、HPで長く掲出して人々の目を楽しませ、制作費の元を取るようにしてくださいませ。もったいのうございます。

問われる流通の姿勢。

AEON.gif
今日は僕の友人、コピーライターのJH氏のブログ、GNJ_G、頑張ろうNIPPONの人材の3月20日のエントリーからお題拝借。

そうそう!全くもって僕も、この広告には驚かされた。

どう驚いたかを書かなくてはと思っているうちに、連休で出かけてしまって書きそびれていたら、さすがJHさん!厳しくチェックじてくれていた→こちら

JHさんの論点には全く同感。単なる広告表現と、販促工夫の延長線が、時代の気分に迎合しただけに見える。

業界のリーディングカンパニーが、公に向けて”反省”を口にすることの重さ、責任=Responcibilityが伝わってこない。

「消費者は王様」と言う錦の御旗のもと、結果追随の売れ筋至上主義に走った流通が、メーカーの良心までを切り刻み、多産多死のマーケティング時代を招いた責めは大きい。

結果、6兆円といわれる広告販促費も、今やその大半は”流通対策”的な意味合いで投じられる有様。それに加え、8兆円~10兆円。一説には12兆円に及ぶのではないかといわれる”流通対策費”が、不毛の場所取り合戦に費やされている。

 流通だけが悪いのではない。

新たな価値を創出して、それを求める人の基に届ける責任=本来、製販一貫の使命があるはずのメーカーが、その責任を忘れて、競合とのシェア争いに興じた結果ではある。

だが、この間の”流通の奢り”の罪は大きい。売れ筋データを背景に、常態化したメーカーいじめ≒廉価納入要請が、新たな価値を持つ商品の誕生と定着を妨げた。

そして、その付けは全て、消費者に付回されているのだ。

流通よ、今もし、本当に反省するならば、それは今まで「安くなかったこと」に対して・・・だけでは無いのではないだろうか。

消費者が本当に望む価値、いや消費者が気づかなかった新たな価値を、メーカーとともに創出する努力を怠ってきたことに対して・・・で、あるはずだ。

それをやって初めて、流通にとって「消費者は王様」が、真実のスローガンになる。

天才バカボンのCM・・・醜悪だ。

ここ最近パチンコのTVCMがものすごい。

旧来、日本のTVCMは世界の趨勢とは若干かけ離れた位の勢いで、Brandのイメージを高めることに注力した、超カッコイイ系のものが多かった。

それが、TVCMの機能不全(=広告ではBrandは築けない)に気がついて、一変した。

今、TVCMの主流は、レスポンスの取りやすい商品やサービスの、いわばチラシ広告のような短期勝負のCMのオンパレードだ。・・・キャッシングやローン、エステ、紳士服や家電量販の安売り、低単価の飲料・・・そういえば、全く短期勝負の代表のような、”映画”のCMが増えたのも印象的だ。・・・つまり、TVCMはブランドを築くメディアではなく、レスポンスを求めるだけのメディアだったことの証明になっている。

(実は交通広告も同様で、、ローンの広告と債務整理の広告の一騎打ち状態で、”矛盾”の語源を思い起こせて面白い)

パチンコのCMは、そうした傾向(=TV広告の本当の実力の露見)の証明で、合理的ではあるのだけれど・・・。

いや、そういう話ではなくて、これはもう全く個人的な”好き・嫌い”のレベルの問題なのだけれど、僕はパチンコ天才バカボンのCMが大嫌いだ。

美しい女性にステテコと腹巻を着けさせ、顔に安易な鼻ひげの落書きをして登場させる。意表をつくインパクト狙いなのだろうけれど・・・なんとも醜悪だ

僕は天才バカボンの漫画が嫌いなのではない。それを、美しくない実写にし、醜い落書きにし、収まりの悪い15秒にしてアテンションをとるその手法(と、その精神)がイヤなだけだ。

赤塚不二夫と、日本の漫画文化に失礼だとさえ思う。

やっぱりパチンコ屋のやることだよね・・・と言わせるようなことを、何故やるのかな? そこにこそ、新しい工夫が欲しいし、それが出来るフィールドなのに。 もったいなくもある。

嬉しい受賞~ネピア・千のトイレプロジェクト~

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昨年来進めてきていた、僕らの”ネピア・千のトイレプロジェクト”が、プロモーション企画コンテストで、嬉しい受賞となった

今週の3月26日(木)に、表彰式がある

会場はこちらだ→http://www.pishow.com/39piinvitation/visitor.htm

何はともあれ、素直に嬉しい次第だ。

これは常々思っていることなのだけれど、実は、プロモーションの世界には極端にアワードが少ない。

僕が選考委員の端くれを努めている広告電通賞にも、SP広告賞と言うジャンルがある。数ある広告賞・・・例えば、新聞広告賞、テレビ広告賞、ラジオ広告賞、雑誌広告賞、ポスター広告賞・・・と言ったジャンルの末座に位置するのだが、この「SP広告賞」・・・つい、十年ほど前までは、POPのデザイン賞だったのが、近年ようやく”プロモーション”と言う視点からの審査に変わったばかりだ。

あと、SP系の古いところでは、旧ポパイ賞=現・日本POP協会の賞があるが、これも、いわゆるPOP制作物のできばえコンテストであって、ポロモーション企画の優劣を競う賞ではない。

広告制作の世界には、星の数ほどAWARDが設定されているし、近年では、かのカンヌ広告賞も、プロモーションのジャンルに広く門戸が開かれているのに・・・日本ではまだまだ少ない。

まあしかしそれも、無理の無いところかな? 広告なら、規定の枠の中でのクリエイティビティーを評価すればよいのだが、プロモーションと言うと、範囲が広すぎて、何を基準に優劣を競えばいいのか皆目見当が付かなくなってしまう。

第一、ことSP≒プロモーションの世界では、クライアントの側が、課題を正確にオリエンすら出来ないケースが多い。課題が明確でないのだから、コンテストは・・・難しい。

近年のカンヌの傾向では、マーケティングトータルの課題に照らして、(クロスメディアな)プロモーションの組み立て方のユニークさや、効果の面からの評価がなされているようだ。

広告電通賞のSP広告賞部門も、近年それに近づいてきているのだけれど、それにしては、他の省は広告の制作コンテストのままで、いささかアンバランスな気もする。

いやいやへ理屈はよそう。今回は、主催者が数あるプロモーションの中から、千のトイレを選んでたたえてくれることを素直に喜ぼう。

 

エシカル?

エシカル【Ethical】は、頭文字合わせの造語ではなく、由緒正しい英単語だ。(僕の豆単には載っていなかった?!)

もともとは道徳上のとか、倫理的とか?・・・そいつに、ちょっと新しいムーブメントがかぶさって、昨今、改めて象徴的に使われ始めた言葉・・・らしい・・・。僕は全く気にとめていなかったのだけれど、この言葉、何かのきっかけになるかもしれないと感じる。

不勉強の僕が俄か知識で説明するよりは、詳しくはこちらがよさそう。→http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/080304_40th/

http://www.thinktheearth.net/jp/staffBlog/2009/03/post_124.php

(*みなさん既にご存知、かつ、しっかりご理解済みでしたら、余計なおせっかい平にご容赦)

 

この【エシカル】。どうも・・・nikkie系が、マーケティングやビジネスの”次のキーワード”とにらんでいる気配が感じられる。

ここのところ、一気に注目され始めているテーマ。エコとか、環境とか、ロハスとか、CSRとか、サスティナビリティーとか、シンプルとか、社会貢献とか、ソサイアタルとか、善とか、仁とか、とかとかとか・・・、色々あるけれど、どれも全てを包括しない。

そう!こんな時に、忽然と登場するんだな・・・新しいカタカナ

全く新しい概念の象徴として登場するから、汚れていない分だけ便利で、その言葉を軸にと言うか、時によってはブラックホールのような吸引力を持って、様々な概念を包括して言葉自体が育って行く。

何だか・・・これは本当に僕の単なる”勘”なのだけれど、ここ最近LONDONで育ち始めたこの言葉。日本でも、大きく育つかもしれないという気がする。

ある意味愚かだった戦争の世紀、20世紀の次の世紀の価値観をいろいろと言うけれど・・・ポストマテリアリズムと言う言い方は・・・それでは答えになっていないでしょう。と、ずっと不満に思ってきていた。

プロフィール

VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
www.vmlab.jp

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