小さな気づき: 2009年4月アーカイブ

NHKがいい。

ここへ来て、NHKのコンテンツが・・・「いい!」と感じる。

昨日は漫然と眺めていたNHKの番組に引き込まれ、結局深夜まで付き合ってしまった。

最初に見たのは、エーゲ海をテーマにした番組「世界遺産への招待状」だった。掘り下げ方の角度が、いかにも(いい意味)NHKで、しっかり味合えた。

続いて始まったのが「プロフェッショナル/仕事の流儀」。

昨夜は再放送で、アメリカ帰りの天才血管外科医、大木隆生氏の仕事振りを追っていた。カテーテルを手品のように操り、大動脈瘤の患部に人工血管を埋め込む、まさに神業のオペの様子を、カメラも返り血を浴びただろうと言うほどの肉薄振りで撮っている。

驚いたのは、実際の患者家族がリスクを覚悟で氏に手術を依頼するまでと、その手術の経緯~結果の記録だ。

80歳代の老婆と家族の依頼で、極めてリスクの高い手術が始まる。9時間がかりの難手術に見事成功する! ああ~良かった(いい番組だった)と、内心ほっとしたのは束の間、一転カメラは緊張し、合併症からの心停止。緊急の対応がさらに朝まで続く様子を追った後、ナレーションは結局患者の死を告げる。

この手の番組で、こうした構成に出合ったのは初めてで、一瞬固まってしまった。

「ありがとうと言う言葉が聞きたくて」・・・と、まさに寝る間を惜しんで年間800件の手術に挑むと言う大木医師の、使命感と、志と、葛藤の重さが伝わってきた。

死んだ老婆の家族が、後日、執刀の御礼に来てくれた。 一時、気落ちしていたかに見えた大木医師は、また次の患者からの、難しい手術の依頼を引き受けた。「最後の望みが僕しかないとわかる時、リスクは高くても僕は引き受ける」と、現代のブラックジャックと形容するのが軽すぎると感じるほどの、気迫が伝わって来る気がした。

僕の記憶が確かなら、この・・・「プロフェッショナル」のシリーズは、人気を博した「プロジェクト」の後継番組(の一つ)であるはずだ。GOGO JAPAN!と言う感じで、一世を風靡したプロジェクト・・・中島みゆきのテーマソングも良くて好きな番組だったけれど、日本の成長期から現在に至るビジネスの現場に近すぎたが故に、結果的には企業PRに多大な効果をもたらす構造となり、裏で莫大な金額が動いたとも動かなかったとも聴こえてくる。

さまざまな不祥事や、視聴料不払い問題などの時期の後、企業から離れ、個人にスポットを当てたこのシリーズが始まっている。実際には僕は未だほとんど見ていないのだが、HPなどで見ると、社会にテーマを置いたものが多いようだ。

NHKは今期も大きく番組構成を改編している。・・・いい方向に舵が切られているように感じる。

思い起こせば、僕をシルクロードの大ファンにしてくれたのもNHKだった。喜多郎のあの曲は今も時々聴く。

エシカルに考えるマーケティング。

王子ネピアの仕事をお手伝いさせていただいて、もうずいぶんになる。

最近では、2008年にスタートした「ネピア千のトイレ」のプロジェクト。これが2年目の2009年の活動に入り、また、東ティモールに渡航する準備などに忙しい中なのだけれど、それとは別にもう一つ、「ちょびエコ」と言うプロジェクトが、もうすぐローンチになる。肩肘張らずに、できることからちょびっとずつ・・・世の中にいいことを、と言うくらいの意味なのだけれど、これも、やらせていただいて実に楽しい仕事になった。(6月には全貌をご紹介できる)

さらに同社とは、もう一つ二つ、新しいマーケティングのトライアルも議題に上りつつあるが、総じて全ての基底にあるのは・・エシカル【Ethical】な着想だ。

僕が「エシカル」と言うカタカナに触れたのは最近のこと出、先日もちょっと書いたが、知ってみるとこの言葉なかなかいい懐を持った言葉のように思える。

道義的な、とか、倫理上のと言う原義だが、UKあたりで近年言いまわされているニュアンスでは、もう少し新しく「人として正しく・・・」くらいのニュアンスだろう。

企業の姿勢を、エコ?から切ると・・・”エコファーストな考え方”と言ったような言い方をする。

エコに限らず、社会に善な取り組みを・・・と言ったときに、実は余り適切な言葉が浮かんでこない・・・CSR?

社会に良かれと言う姿勢をとることを言おうとすると・・・いきなり”CSRへの取り組み”と言うくらいしかなかった。

これではどうにも、ニュアンスが伝わらない。

その点”エシカル”は、形容詞だから実にいい(便利だ)。

エシカル・マーケティング

エシカル・コンシューマー

エシカル・カンパニー・・・と、つなげて行ける。広がりが生まれる。

企業の取り組み姿勢と言うよりも、生活者の選択の価値基準に繋がるニュアンスがある。

さらに言えば、企業も、人も、ともに社会に生きる「市民同士」であるところに思いがつながりそうなのが実にいい。

~はじめに言葉ありき~ 人間の行動は、ある意味、言葉に導かれることが多い。

エシカル(Ethical)と言う形容詞が包括する世界は広いし、それは、漠然とした、これからの方向を、ある意味上手に示してくれる。

エシカル・シンキング・・・。この時代の企業活動や、生活者のあるべき発想の起点としてふさわしい。(僕の崇敬する原丈人さんの「公益資本主義」は、まさにこのエシカルな発想だろう)

王子製紙の創業者、福沢諭吉翁は「道徳と算盤」と言っていた。全く同義の思想だろう。

プロフィール

VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
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