森繁久弥逝く。
屋根の上のバイオリン弾きは一度だけ観た。
知床旅情は、空で暗じるほど口ずさんだ。
社長漫遊記などのシリーズ物は、子どものころに何気なく観ていたのを、大人になって観なおして面白かった。
加藤大介とか、小林恵樹とかの脇役もいい。何より面白いのは植木等だ。
「ちょいと一杯の積もりで飲んで~」の、スーダラ節が有名だけれど、
「カネのな~いやつは俺んとこへ来い!俺も無いけど心配すんな~~」という、植木等のあの歌を思い出す。無性に好きだ。蓋し、昭和の名曲中の名曲だと思っている。いや、詩が最高なのだ!
話がそれてしまいそうだ。
この森繁映画、その後の寅さんや、釣りバカに通じるのだろうけれど、まあ寅さんは置くとして、釣りバカなどは及びも付かない。と、僕は思う。
時代を映しきっていてすごい。
戦後日本の復興の一時代を、見事に凝縮させている。
芸術は、時代の色を丸呑みにしたものの方が色あせないのだと言う。
社長シリーズの映画が「芸術」か否かは賛否あるところだろうけれど、確かにそう思う。
森繁久弥96歳。
奥さんを20年も前に亡くしていたとは知らなかった。
一般に、伴侶を亡くした女性は生き生きし、男性は急に消沈して命を縮めると聞く。
森繁さん、やっぱり相当違う人だったのだろうと、改めて思う。
大往生のご冥福を祈る。
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