CSRキャンペーン続々!

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僕らが恐るおそる、ネピア「千のトイレプロジェクト」の準備に取り組んだのは2007年の秋のこと。まだほんの2年前のことだが、当時は先行するキャンペーン事例はほとんど無く、日本の社会で、こうしたCSRのマーケティング化=CRM的なアピールが受け入れられるのか否かの保証はほとんどなかったことは、もう何度も述べて来た。

ここへ来てスゴイ! 雨後の竹の子、続々の様相だ。

けっして悪いことではない。多くの企業が、ブランドの使命とサスティナビリティーに目覚め、自らの内発的な意思で社会貢献に取り組めば、その個々の取組による実効効果もさることながら、何よりも、そうした社会的な問題の周知に寄与し、この国自体の意識のレベルが上がり、明るい未来に繋がる土壌が育つ。

どんどんやるべしだ。

個々の取組みの姿勢の是非や、CRのよしあしや、トーナリティーの多少の違和感などはとやかく言うべきではない。

言うべきではない!・・・と、思いつつ、ついつい気になる。

ここのところで、一番目立っているのは・・・アサヒスーパードライのあれか?うまい!を、明日に!」プロジェクト

僕がそれをはじめてみたときは、とっても手作り感覚の(ちょっとダサい感じの)A4三つ折パンフレットだった。

へ~アサヒが? こんな地味なパンフレットで? 一県一善みたいな・・・手作り感覚で、ずいぶんベタな企画だけど素朴でいいじゃん! 

あれ?でも、1本1円!!! とはずいぶん太っ腹!思い切った額の拠出だな~~と行った程度に受け止めていた。

なんと!TVが始まった。「No1の責任」と来なすった。

そのコピー、TV広告で面と向かって聞かされると・・・ちょっと違和感が先に来る。

この企画はどうしても、CSRに取り組むブランド=いいでしょう!買ってくださいと、マーケティング主導そのままの取組に見えてしまう。

僕は本来、企業のSCRのマーケティング展開=広告展開には、それなりの貢献価値があると思っている。

その貢献価値とは、社会に存在している「問題の広報」の役割だ

ピンクリボンにせよ、多少たたかれることの多いレッドプロジェクトにせよ、Volvickやネピアのそれにせよ、乳癌とか、エイズとか、水とか衛生とか・・・世の中には、こんなに深刻な問題があるんです、私たちも率先して頑張りますが、みなさんもぜひ知ってくださいと訴えかけて、世の中の理解のレベルを上げる役割を担っている。・・・そここそが、企業がCRM型に置き換えてでも、この手の活動に取り組む社会的意義だと信じる。

どんなに多額な「不言実行の寄付」がなされても、世の中の理解は高まらない。反面、企業がPR活動を展開すると、そのインパクトは大きい。

その視点から、アサヒのこのキャンペーンを見るとどうだろう?

頑張っているのはアサヒだけで、一県一品の美味い物プレゼントを、時流にあわせて「自然保護」に置き換えただけの上っ面に見えてしまうのは・・・僕だけか? (キャンペーン化のために)47県のテーマを一斉にそろえたことで、かえって、ひとつひとつの問題意識が希薄化して、アピールが届かなくなってしまってはいないか?

穿ちすぎの偏屈モノの意見かな???

そういえば、社会貢献活動は、「最初はヨコシマでも結構!はじめればきっと、やがて本物になってゆく。何故ならば、そこにある深い問題に向き合ってしまうからだ」と、教えてくれた人がいる。

その通りだと、僕は千のトイレの経験の中で体感した。

アサヒのこのプロジェクトも、そんな風に育って行ってくれることを祈る。例えば、地域地域の酒屋さんやビール愛好家達が、手に手をとって、地元の自然保護に本当に参加して行く運動に育つとか・・・だろうか。

企業によるCSRの取組と、そのマーケティング転化の展開・・・・来年は、もっともっと増えるだろう。事実、僕の周囲にも、企画段階の案件は実に数多い。

微力ながら、本物のCSRの浸透と発展に尽く競れば幸いと考える。

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プロフィール

VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
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