中華帝国、皇帝袁世凱。
1915年中国には清朝に次ぐ帝国が興った。中華帝国と言う。清朝の軍人で、李鴻章の後を襲った俗物中の俗物とされる袁世凱が、孫文の民国を廃して帝政とし自ら帝位に付いたのだ。
東北地方には、英雄張作霖が勢力を伸ばしていた頃だ。
時代錯誤も甚だしいと思うが、どっこい、中国に進出中の列強は、自国の利益と引き換えにこれを許したというから、自己中も甚だしい。
浅田次郎は中原の虹の中でこのあたりをとても面白く書いている。帝位に留まることわずか3ヶ月で袁は1916年、自ら帝政を廃して退位し、その3ヵ月後に没する。
大勢の妻妾孫子と共にハワイに亡命する準備をしており、アメリカ大使館が差し向けた船が港に迎えに来ていた中だという。
病死なのか、憤死なのか、暗殺なのか・・・あの頃の中国では真相はわからない。が、まあ自殺ではないことは確かだろう。
先輩の李鴻章が、清朝の幕引きの時期に責任を一身に背負い、アヘン戦争後の香港の割譲で見事な外交を演じたのに比べると、袁世凱はいかにも歴史の悪役だが・・・一概には言えないようにも思う。
ああした個性派の輩がいたからこそ、中国は植民地化をま逃れた。
そしてその後の紆余曲折を経て、毛沢東の共産帝国だ。鄧小平がボタンを押した開放経済が、世界にシェアを誇り、アメリカを脅かすほどに伸張し今日に至る。
わずか100年のことだ。
長生きしていれば、一人の人間が見届けられるくらいの短い時間の中で、歴史は激しく動く。そこが面白い。
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