CSRとソサイアタル・マーケティング。

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あるところから原稿を頼まれて・・・今書きたいことを書いてみた。

字数は聞いていたのだけれど、ついつい、倍くらいの分量になってしまって、

こいつは”ボツ”と決まった。

もったいないからブログの埋め草に・・・・あれ?前もこんなことして、編集者に怒られた??

今度は大丈夫?かな??

 

ムチャクチャ長くて、つまらないと思いますので、

よほど・・・お暇な方だけどうぞ。本当です。

CSRと、ソサイアタル・マーケティング

 

~企業の活動は、人と社会との関係性の上で考える~

 

このところ、CSRCorporate Social Responsibility)の議論をよく耳にします。一般に「企業の社会的責任」と訳されますが、こうした意識の高まりは大いに歓迎です。一方で、昨今のCSRブーム?のような動きに関しては、少なからず懐疑的にならざるを得ません。取って付けたような・・・とまで言っては言い過ぎかもしれませんが、本業と別に、「これもやっておかなければ」といったうわべだけの姿勢を感じることが多いからです。

 

■ネピアの取り組み

実は先日、僕らは、ネピアーユニセフ タイアップキャンペーン「nepia 千のトイレプロジェクト」をリリースしましたお客さまが、ネピア商品をお買い上げくださるごとに寄付を積み上げ、ネピアがそれをユニセフに寄付して、アジアで一番若い国・東ティモールに、1000の家庭のトイレと、15の学校のトイレを作ろうという取り組みです。この国では毎年5歳未満の子ども達1000人の内130人が命を落していますが、汚れた水とトイレの不備による下痢などの原因によることが多いからです。

 

ネピアは王子製紙グループの家庭紙メーカーで、トイレットペーパーやティッシュなどを売っている企業です。ご存知の通り、こうしたコモディティーの市場は流通主導の安売り合戦で、お客さまもほとんどブランドを意識せずに消費しているというのが実情です。よい商品を考え出して作っても、とにかく安くないと、売り場においてもらえないのですから、商品の価値はお客さまに届かない構造に陥っているのです。

あなたがマーケッターだったらどう考えますか?

 

■企業の使命

実はそんな中、ネピアは昨年とても素敵な取り組みを実施していました。日本トイレ協会さんと一緒に、首都圏の小学校で、“うんち教室”を実施して、うんちを通して健康を考えることを、楽しい授業とうんち日記で訴えたのです。子ども達はもちろん、先生や父兄からもたくさんの、感謝の声をいただきました。「学校でうんちをするのが恥ずかしくなくなった」「野菜もたくさん食べて、健康ないいうんちをするのがいいことだと、家族で話し合えた」などなど・・・。日本は豊かな国だけれど、トイレットペーパーを届ける企業として出来ること、やらなければいけないことは、まだまだたくさん有るんだと気付かせてくれました。“うんち教室”は、今年も実施されます。

 

そんな経験をもとに、僕らは、トイレットペーパーのメーカーとして、日本のお客さまにもっと“愛されるブランド”になるために、何をすればよいのかを考えました。今年2008年は、国際衛生年です。ユニセフの調査によれば世界では毎年、130万人を超える子どもたちが、トイレと水の問題で命を落しているといいます。

 

■売り場は情報発信基地

その後、さまざまな経緯を経て、「nepia 千のトイレプロジェクト」は立ち上がりました。このキャンペーンでは広告もほとんど打ちません。ただ、ティッシュのボックスなどを媒体と考えて、たくさんのメッセージを入れました。日本の家庭に、東ティモールの子ども達のことを知っていただけるようにと。

 

流通にご案内すると、みんな喜んで売り場を提供してくれました。売り場が、お客様へのメッセージの場として機能する、と言うことに共感してくれたからです。日本のメーカーと、流通と、消費者が、一体となって、世界の問題を考えるプロジェクトです。

 

■ブランドの使命

ネピアはトイレットペーパーのメーカーです。その使命を自覚して、日本では“うんち教室“を地道に続け、世界に向けては、アジアの仲間である若い国を、流通やお客様と一緒に支援しようと考えました。これが、企業のCSRを考える、ひとつの原型だと考えます。

 

このCSRの視点に関しては、ぼくらは2000年当事に着眼し、マーケティング的な観点から取り組みを試みていました。最も、当時は「CSR」という言葉は、今のように確立されていませんでしたので、僕らはこう考えました。

CRSCorporate Responsibility for Society)。企業が社会で活動するに当たっては、企業には、社会に対する責任があると。対で考えたもうひとつの側面が、CRCCustomer Reationship Compilation)顧客との信頼関係の構築(編集)です。さらにはCREDO(ラテン語で「信念」)に基づいた事業の推進。と言ったことにも思いを及ばせました。

 

これらの考え方はどれも、バラバラに、技法的に存在するのではなく、企業やブランドが一貫して持ち合わせているべき(はずの)もので、それらを通した着想から、商品が生まれ、コミュニケーションが生じ、事業活動が推進されるのが、あるべき姿だと考えたわけです。つまり、競合を相手にマーケティングの技を競うのではなく、顧客と社会を相手に、信念のマーケティングを貫くべきと。

 

今で言えば、企業やブランドの「サスティナビリティー(継続性)」に繋がる発想だったように思います。

そう考えれば、企業にとってのCSRとは、“しのぎを削る本業とは別に、何かやっておくべき別の領域”などでは決してなく、本業そのものがCSRに通じるのが本来の姿です。つまり、正しい企業活動=社会に貢献する商品やサービスの提供と、その根底にある、企業の信念のメッセージの発信。それ自体が、社会における“善”であれば、全ては繋がり、サスティナブルになって行くわけです。

 

■ソサイアタル・マーケティング

そして、今僕らが挑んでいる新しいテーマが「ソサイアタル(Societal)」=“社会関係性”です。

ソーシャル(Social)=社会的・社交的などとはちょっと違って、より人間と社会・自分と周辺の“関係”に寄った言葉です。少し難しいかもしれませんが、例えば、ある奥さんが素敵になりたいと考えて、化粧品や洋服を選ぶとします。その時に、ママが素敵で喜んでくれるお子さんやご主人のことを思うとすると、それはもうソサイアタルな一面を持っているんですね。もちろん、エコバッグでCO2を削減するのは、“自分の住む社会”を守るためですから、完全にソサイアタルです。

 

企業やブランドから提供される価値や、マーケティング・メッセージは、それがソサイアタル性を帯びている時に、極めて自然に(オーガニックに)浸透する、と。さらに言えば、企業やブランドは、ソサイアタルな認識に基づいて、商品やサービスの価値を考え、それを伝えれば、CRCCSRが両輪で機能し、社会にとっての“善”の活動とし受け入れられる、と。

 

ああ、思えば昔はみんなそうだったんです。石鹸メーカーは社会や家族の衛生向上を願って石鹸

を作り、家電メーカーは、主婦の負荷軽減と楽しい暮らしを祈って冷蔵庫や洗濯機を売ったんですね。・・・いつの頃からか、それが競合とのシェア争いの戦場に変わりました。

 

今再び、社会の善に立ち返ってマーケティング!!楽しいじゃありませんか。

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VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
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