ある夜の作品。(about Communication)
二ヶ月ほど前に、ある業界誌に頼まれて結構苦労して書いた原稿がある。
編集者のお考えと、僕の考えが若干ながらかみ合わず、僕も苦労したが先様もさぞ苦労されたことと思う。
最終的には、僕はこの原稿を預けた上で取材に応じ、紙面は編集サイドで構成してもらった。
元原稿がここに残った。
もったいないからBlogの埋め草にしちゃおう・・・いつものパターンだな~。
~コミュニケーションは”受け手の側”の時代に入る~
【注】:例によって、これまた本当につまらないので、忙しい方、関心のない方は絶対に読まないで下さい。
~コミュニケーションは“受け手の側”の時代に入る~
広告・販促の観点から、ウェブの役割や使い方を考える時に、まず、絶対に理解しておかなければいけないこと、=ウェブと言うものの“本質”のポイントが2つあります。
■その1:ウェブは対話を求められるメディア
その1は、ウェブは個々人と直接対面するメディアだということです。従来のメディアは全て一方的なメディアでした。テレビCMなら凝縮した15秒間の中で、新聞ならば計算し尽くした15段の枠の中で、広告主は、ターゲットに与える印象をコントロールして情報を“発信”していました。まるで、皇族がお立ち台から手を振るようなものですね。
恐ろしいことに実は、広告主、特に小売店の店頭で買われる日用品などのBrand・メーカーと言うのは、マスメディアしかなかった時代には、買い手と直接に対面した経験がほとんど無かったんですね。それが、ウェブの登場ですっかり様変わりしました。
企業やBrandのホームページと言うコミュニケーションの場は、従来は情報の受け手だったコンシューマーが、自分の意思で訪れる場ですね。つまり今まではコントロールした情報を、自分の都合の良い時にだけ発信していればよかった広告主が、今はユーザー側からの情報要求に対応しなければいけなくなったということ。お立ち台から降りて対話することを求められるようになったわけです。これは大きなチャンスでもあり、深刻なリスクでもあります。
■その2:ウェブは“受け手側”の道具
その2は、従来のマスメディアは、情報の“送り手側”の便利な道具であったのに対し、ウェブと言うメディアの本質は、それらとは正反対に、情報の“受け手側”の道具だということです。CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)と言う言葉を耳にしますね。消費者によって構成されたメディア(情報)といった意味で、ブログやSNS、または価格コムやアマゾンの掲示板情報などをさします。
友達との美味しいお店情報の交換なども同じことですが、今やマスメディア上を流れる情報の数十倍・数百倍の情報が、ネットを通じて世界中で常時交換されています。つまり、人間本来の自主的情報交換「クチコミ」がものすごい道具を手にして一気に力を持ったわけです。
ウェブと言う道具を得たコンシューマーたちは、自分の意思(ユーザーイニシアティブ)で、自分の都合に合わせ、自分の見たい、知りたい情報を選んで摂取し交換します。今時、クルマを買いたい!と考えて、テレビの前に座ってCMの流れてくるのを待っている人はいませんね。必ず気になるクルマのホームページを検索します。
■ ホームページは、Brandの「城」
そう考えると、Brandや企業にとって、ウェブ上でのコンシューマーとの接点(対面)特にホームページが、いかに重要かが分かります。僕は最近、ホームページはBrandの「城」だといっています。城と言う言葉は中国語では「城市」、英語の「City」に近い意味で、けっして戦う為の「砦」ではありません。
Brandが、コンシューマーに伝えたいさまざまな「価値情報」をたくさん蓄えておいて、いつでも来訪者をもてなす「オアシス」のようなところであるべきだと。TVCMなどの広告が、ちょうど「砦」から繰り出す「攻撃」の役割だったのと比べて考えてみてもらうと良く分かると思います。
■ そんな中、ウェブキャンペーンの役割は?
こうした考え方をベースに、ウェブを活用したマーケティング、プロモーションの役割を、また、大きく2つに分けて考えて見ましょう。
■ 1つ目は、人を反応させる役割です。
昔なら、広告やちらし、DMなどでした。今はネット広告やメールDM、ブログパーツやアルファブロガー活用PRなど・・・さまざまさまざま。個々の手法は日々新しく登場し、同時にどんどんと陳腐化してゆきます。ちらしやDMのデザインやコピー、懸賞の賞品の優劣などが効果を左右したのと同じように、ウェブ上でのプロモーションでも、一瞬のインパクトが大事なことは変わりませんが、従来と全く違う点が明らかにひとつあります。それは、オールドメディア時代には、得られる情報は与えられた分だけでしたが、ウェブ時代にはいくらでも調べられると言う点です。つまり、表現のみでのウソや騙しは効きづらくなりました。
昨今のウェブプロモーションの工夫は、大きく3方向くらいに分かれているようです。第一はインパクト競争。バナー広告目立ちの工夫などですね。また、繰り返し接触の工夫、行動リターゲティング広告などと呼ばれ、一度接触したユーザーをウェブ上で追跡し、待ち伏せ的に繰り返し広告を表示するなどの工夫もあります。いずれもリーチからクリック(=アクション)への確率UPの工夫ですね。
もう1つの工夫は、ニーズ選別の工夫。検索連動広告が最たるものですが、何かを探している人に対しそのジャンルの情報を届けるコンタクトポイント効率化の工夫で、これはウェブの特性に沿っています。
3つ目、最近の開発は“価値観共有”ルートの活用。アルファブロガーやSNS上のコミュニティーを活用した、PRやリコメンド広告の手法です。自分の信頼する人や気の会う仲間からの情報は受け入れ易いからです。
最終的にはこの第3ルートが有望でしょう。ウェブの特性=生活者側のメディアであると言う本質に合っていて、情報がシェアされ易いと思われるからです。
■ ウェブの役割の2つ目は、もてなし(=対話)です。
つまりホームページの在り方。これは、工夫や技術だけでは解決しない根本的な課題です。生活者が情報を取捨選択するこれからの時代、Brandは生活者と同じ目線の高さで、自らの価値を語る“姿勢”が大切になります。
NISSANティーダのホームページで、開発者が書いたブログが有名です。ティーダのホームページでは、開発者が個人名でブログを書いています。「こんにちは、日産自動車の○○です・・・」と書き始め、自分がこの車を開発した時の考え方やその結果を、隣のお兄さんが仕事の話をするような調子で、自分の言葉で書いています。
ティーダの例では「コンパクトでも身長2mの人が楽々乗れる車を作りました」と書かれていました。これを読んだ2m超の大男の人が「そんなことは有り得ない」と思って実際に試乗した結果、本当に楽々乗れたので驚いて実感ブログを書き、それが評判となってティーダの人気は一気に高まりました。
ウェブの浸透で、情報の主権が受け手の側に移りました。マスメディアを占有して、送り手の側が思うように情報をコントロールできた20世紀後半の一時代がむしろ異常な時代だったと考えるべきでしょう。これからは、押し付けや刺激の情報効果は薄れる一方と考えるべきでしょう。
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