ネットの呪縛と素朴への憬れ。
中国新疆ウイグル自治区からキルギスタンに入り、都合3日間ほどネットのつながらない環境に居た。
そうあってはいけないと自分に言い聞かせ、広大な大地と青い空と、人々の暮らしの空気を存分に吸い込もうと努めても、ネット環境から隔絶されると、どうしようもない焦燥感を覚えてしまう。これは困った人格になり下がったものだ。
10年ぶりのカシュガルでホテルに案内された。前回は、前庭にぶどう棚が広がる素朴な時代がかったホテルで、水洗のトイレを詰まらせてしまって往生した。トイレットペーパーを流したでしょう!だから詰まっちゃったんですよ。紙はこちらに捨ててくださいと、土地のルールを教えられたことを覚えている。お湯は何とか出た。部屋に冷蔵庫は無かった。
今回のホテルは新しく、舗装の整った大通りに面していてロビーもきれいだ。部屋に案内されて、思わずPCの接続を聞くと英語は覚束ないボーイが、当たり前のように接続ケーブルを取り出してくれた。 そう言えばこの街は今、タクラマカン砂漠の石油開発で活気づいているのだから、ネットを使うビジネスマンも多いのだろう。
Nikkei Netに目を通し、たまったメールを一覧する。やれやれ、Nipponはまだ沈没していないようだし、事務所も無事存続している様子だ…と、知ってほっとする。
ほっとすると今度は、前回のあの朽ちかけた古いホテルが懐かしくなって来た。妙に合理的な部屋のつくりが気に入らない・・・まるで味わいがない。僕が求めていたカシュガルの雰囲気からはかなり遠い。冷蔵庫はあるが電源が切れていて冷えていない。シャワーもありお湯も出るがぬるいしタオルが少ない!!
あれ?どっちなんだよ?と自分に問いかけてみる。
10年で、この街も変わったが、僕も相当変わったようだな・・・と。
ノートPCも、ローミングの利いたケイタイも置き捨てて、お湯の出ないホテルを回る旅を満喫するのが一番の贅沢なのだろうな、やはり。・・・・という結論に至った。当たり前だが・・・・。
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