座右の銘or人生の指針。

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小学校の卒業式。校長先生が、使い込んだ太い万年筆で、ぼくのサイン帖に「以徳報徳」と書いてくれた。じぇ~んじぇん意味が分からなかった僕は、担任の先生に聞いたが先生も分からなかった(笑)。まあ、その後何となく分かったけれど。

その後は、中学校卒業の時、高校卒業の時、大学卒業の時には・・・全く記憶が無い。きっと何かあったのだろうけれど、多分僕の脳内が、異方向を向いていて、受け入れていなかったのだろう。

二十歳の成人式。地元を出て東京に来ていた僕は成人式に出なかった。その後、春か夏かに帰ったら成人式のお祝いの絵皿が、市長から届いていた。「日々三省」と書かれていたように記憶している。

その後社会人になって、若い自分、何かの時にもらった色紙には「日々是好日」と書かれていた。

ううううん。何の脈略も無く突然四文字熟語だけ並べられてもな~、と言うのが当時の感想だったように思うが、その後、年を経て意外とそっち系が好きになってきた。

32歳で、初めて本気で会社を興して仕事に臨む時に「座右の銘」と言うヤツを考えなくっちゃと思って、僕が選んだ言葉は「繊細にして大胆」である。(実は、社名に選んだアイベックスと言う高原ヤギも、そのイメージに繋がっている)

繊細にして大胆。それから長く、僕はその言葉が好きだった。人生に立ち向かうスタイルとして、一個の人間として社会と戦って生き抜く心構えとして、限りに無く繊細に、されど決断の時は大胆に!って、サムライの生き方としてカッコイイじゃんと思っていた。仕事や人生って勝つか負けるかの、言わばゲームのようなものだと熱く語ったこともあったように記憶する。

でも、あれっ???っと、思い直したのは50歳のころだろうか。

人は、短い命を次代に紡いで、長い歴史の絵巻を描く。人間50年・・・今は医学が進んで80年?それにしても、悠久の時から比べれば短いものだ。しかも、ここは肝心なのだけれど、一人の人間が世の中に本当に影響力を行使できる「自分の世代」の時間は、たかだか20年かそこいらだ。若い時は洟垂れ小僧、年経れば過去の遺物。時代の原動力でいられる時間は意外と短い。

名こそ惜しけれ」と言う、それこそ古色蒼然の言葉に何となく意味を感じたのはそのころ(50歳)だった。自分がこの世に生まれて来た意味(意義)って何なんだろう?次の世代に何が語り継がれるのだろう?それが、人として生きる(=死ぬ)テーマだと言うののがこの言葉の意味?武士道の言葉かな。実は五十歳は「知命」と言う。(四十にして惑わず、五十にして天命を知る・・・のだそうだ)

僕はそれを、仕事人として考えれば、業界の歴史に少しでもプラスの成果を残すことと考えて、アイベックスと言う会社の最後の数年を頑張ってみた。おかげ様でそれなりの達成感も分けていただいて今日がある。

How to (どうやるか) の前に、What for (何のために)をきちんとしなければ、流される。踊らされる。軸がぶれる。

 

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VM Lab 辻井 良一

1983年セールスプロモーションの企画制作会社「株式会社アイベックス」を設立。プロモーション・プランナーとして、「売れる仕組みづくり」をキーワードに、さ まざまな企業の販促キャンペーン、市場導入プラン等に携わる。日本初のネットキャンペーン、キリンビバレッジ社「ネットでFIREキャンペーン」などを手がける。
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25年間プロモーションの最前線で、「売れる仕組みづくり」に携ってきた私、辻井良一(DG&Ibex創業者)が主宰する、「これからのマーケティング」を考えるラボです。
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