”GINZA”の街並みに思うこと
TOKYOは多様化が進む。街々で、沿線で、駅々で、まさに街の「顔」の違いが鮮明になりつつある。行き交う人も、話される言葉さえも違う。これが大都市の懐の深さのバロメーターの一つだろう。
30年ほども前に、初めてNYを往訪散策した時の驚きを思い起こす。5番街から、スラム、ソーホー、さらにはゲイの街クリストファーSt.まで、それぞれの街に、それぞれの文化の息づきを感じた。(実はこれがマーケティングで言う、セグメントの原点なのだが)
東京に「街」は数ある中で、やはり”GINZA"は別格のようだ。日経新聞の解説によると、銀座一等地の路面店の賃料が、ついに1㎡当り25万円に達して、一応頭を打ちそうなのだという。従来は10~15万前後が上限とされていた賃料を、ここまで引き上げたのは、言わずと知れた海外のラグジュアリーブランドショップだ。
日本企業の体力では、15万円以上は払えないが、彼らは、日本の在来企業とは収益構造が違うのでこれを払えるのだと言う。外来のブラックバスが、日本の湖沼の在来種を駆逐したように、銀座の老舗の店舗は姿を消し、目にも艶やかなラグジュアリーブランドのエントランスが街並みを塗り替えて行く。やがて、そこに集う人たちのセグメントも変えて行く。
収益力の構造が違うからって・・・あれ?それを買っているのは誰だっけ?
バブルの頃、円高の追い風も手伝って大挙して繰り出し、パリやミラノのブランドショップに行列をなしてヒンシュクを買ったジャパーニーズレディー族のうち、今日まで生き延びた強い種族や、その後に勃興したニューリッチ族は、10%や20%の割高はものともせず、GINZAのブランドショップで堂々と、YENでの買い物を楽しむ。むしろ、そのことのステータス性を味わっているのだ。まあ、これはこれで正しい流れかとも思う。
次はHOTELだ。あっという間にいくつも建ったし、先日来日していたアルマーニ氏もTOKYOにホテルをとおっしゃった。
東京の老舗一流ホテル。従来は4万円前後でそこそこのところに泊まれた。昨今のブランドホテルは7万円~10万円以上だ。これも、一気に外人利用客が増えたわけでもない。利用客の大半はもちろん日本人だ。
おいおい!頼むよ!と思うのはこの点だ。僕ら日本人は(三丁目の夕日以来)せっせと働いて、やっと世界に伍するお金持ちの仲間に入れてもらい、お金の使い方は身に付けた。あ~それなのに、気がつけば銀座の一等地は海外ブランドのショップとホテルに買い占められるのか。よくよく考えるとこれでは、二重の搾取にあうことになるじゃないか。
お金の使い方だけじゃなく、お金の使ってもらい方で強くなろう。収益力の高い事業モデル構築でもう一度世界と競おう。つまりは・・・Brandだ。ブランドの何たるかに、マーケティングの軸足を据えてもう一度やり始めよう。続々三丁目の夕日、マーケティングの知恵競争版だ!!
このテーマの「解」は、20世紀型のアメリカのグローバル路線、パワーマーケティングセオリーの先には無い。むしろ、イタリアあたりのファミリー企業の成長の軌跡や、現在の強さの秘訣にヒントがある。そして、日本の将来を考えると、100年200年の先に繋がる我々固有の強さ(=存在意義)を作り上げる一つの方向は、将にここだと感じられる。
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