千のトイレプロジェクト: 2009年6月アーカイブ
東ティモールで考えたこと(4)通貨と物価。
日本から東ティモールへは、先ず、成田空港からバリ・デンパサールへ。ご存知のように、成田からのバリ便は夕方から夜の到着。デンパサールから東ティモールのディリへのフライトは午前中の一便だけなので、バリでの前泊が必要になる。
たった一泊の前泊とは言えインドネシア入国だ。1W以内のVISAが30$。ホテルのポーターへのチップやら、ベッドに置く分やら、やはり幾らかはルピアに交換しなくてはならない。
だがこのルピアが東ティモールでは全く通用しない。
2002年インドネシアの統治から独立を果たして、現在の東ティモールは自国通貨を持たない。国内で流通する通貨はUS$だ。
僕らの定宿、ホテルオーディアンは一泊およそ50$。バスタブは無いが、一応お湯のシャワーが使える(部屋によっては水しか出ない日がある)・・・安いのか?高いのか?微妙なところだ。
食事は・・・首都ディリにだけはレストランが結構たくさんある。中国人華僑や、オーストラリア人が経営する店で、ほとんど全ての客はUNやその他NGO関係などでらい濃くする外国人だ。店の格にもよるが、ランチタイムで5$~15$。ディナータイムで10$~30$。ちょっと贅沢にやれば50$使うことも難しくは無い。・・・・つまり・・・この国の経済事情に比して考えれば結構(いやめちゃくちゃ)高いと思う。
さて本題だ。この国の大半の人々は、(GDPから換算すると)一日一人1$~2$以内で生活していると言う厳しい状況下にある。
そんな中で、どうしてもの買い物は$でするわけなのだが・・・ここでは1¢コインは目にしない。聞いてみたが、使われていないと言う。1¢も5¢もなくて、実質的な最低単位は10¢なのだという。
「10¢が実質的な最低単位って、とんでもないことなんですよ、この国の一般人にとっては」と、この地でNGO活動の長い佐藤さんが話してくれた。
チキンラーメンの麺だけの様なものが主食代わりに良く売れると言う。アジアの国では良く見かける。
それがついこの間まで一食分10¢立ったのが、この頃値上がりしました。さていくらになったと思います?20¢なんです。いきなり倍ですよ。そんな乱暴な値上がりが他にも多数あって、これが結構深刻な問題のようだ。
新しい国だから政府は国力の向上に一生懸命だ。最低賃金の規定もある。いくらだと思います?一日4$50¢なんです。高いでしょう!他のアジアの国なんかではもっともっと低いですよ。
いいことじゃないか!と、最初は思ったが、これもよく聞くと問題だと言う。
つまり、途上国の割には労働コストがべらぼうに高く設定されているわけで、それは外資による産業の参入意欲をそぐと言う。
だから、港や道路やさまざまなインフラの欠如とも相まって、この国は・・・産業立国は難しそうなんです。・・・と、佐藤さんはぽつりと言った。短い時間で詳しくは聞けなかったけれど、国を興すということは、難しいことが一杯なのだなと何となくわかったように感じた。
東ティモールで考えたこと(3)現地に根付くチカラ。
僕らの「ネピア千のトイレプロジェクト」の支援の仕組みはこうだ。
対象商品の売上の一部を→ネピアからユニセフに寄付→ユニセフ東ティモール事務所が(政府とも協議の上で)中期的な改善計画に沿って、東ティモールの村々で家庭や学校のトイレや水源の環境改善を進める。
僕のカメラに明るい笑顔を見せてくれるこの子どもたちは、去年まではみんな草むらや川で用を足していた。学校のトイレも壊れていて、特に高学年の女の子たちにはちょっと深刻な問題もあった。この村の一軒一軒の家々にに、去年トイレが出来上がった。
ユニセフが勝手にトイレを作って上げるのではない。ここが肝心カナメのところなのだが、実際に汗を流してトイレを作るのは村人たち自身だ。
ユニセフは先ず、水と衛生の観点からトイレの必要性を啓蒙する。その上で、必要性を理解してトイレの設置を望むコミュニティー(村)と協議して設置に向かう。
村人の力では調達できない資材(便器やセメントなど)はユニセフが供給し、現地のNGOを指導育成して、NGOから村人たちにトイレ作りや維持管理の技術を指導する。
村を上げてのトイレ作りが始まる。土の下に入る部分(便器や便層)はユニセフ支給だが、トイレの建物は村人の工夫で、村人(個人)の負担で建てられる。竹や木の葉で作る人、木やビニールシートを使う人、コンクリートのブロックで作る人、暮らし向きや意識でそれぞれに違うトイレが出来上がるが、衛生上の基本機能は変わらない。
NGOを育て、村人主体でトイレと水の問題を改善することで、この国(NGOや村人)にその意識が根付き、技術が残って行
く。それが重要なポイントだと僕もようやく解かって来た。今までの視察でも、学校などに、今は壊れて使われなくなっているいくつもの立派なトイレ施設を見た。これまでにさまざまな国や団体からの支援で出来あがったものだが、この国には今それを修理する知識も技術も資材も無いのだ。
現地に”チカラ”を養成する。それがこの国を支援する基本方針だと、ユニセフ久木田代表は熱く語る。納得だ。
久木田さんはこうも言う、アジアで一番若い、言わばレイテストカマーのこの国で、僕らは今、世界最速の支援の目標達成が出来そうな手ごたえを感じるのですと。
東ティモールで考えたこと(1)支援の本質とは?
これから何回か、2009年6月7日から一週間「ネピア千のトイレプロジェクト」の取材で、東ティモールに渡航した際の僕の(私的な?)感想などを、勝手にレポートしてみたいと思います。
さて、前回2008年の初渡航の際に一番不自由を感じたのが「通訳」の問題。
そもそも自慢じゃないがこのチーム、僕を筆頭に英語はあまり?いや、ほとんどおぼつかない。そのチームが、東ティモールの村人や子ども達の生の声を取材したいと思うとどうなるか?
①我々が日本語で質問→②同行の通訳さん(日本語/英語)か、英語に堪能なユニセフの日本人スタッフが英語に翻訳して下さる→③それを、ユニセフのティモール人スタッフさんが英語からテトゥン語に翻訳して質問→④現地の方の回答を、ユニセフのティモール人スタッフさんが英語に直す→⑤それを通訳さんが日本語にしてくれて、我々一同やっと~なるほど~~となる。
ねっ! ちょっと考えただけでもコミュニケーションストレスを感じますよね。
そこで今回はちょっと考えた。テトゥン語を話せる日本人がいてくれたらどんなに楽だろう、支援関係にも多少明るい方ならさらに好都合と。
駐日東ティモール大使館の女性事務員、徳さんと言う方に甘えて相談したら、現地でNGO活動をしているちょうど良い方がいるとご紹介を頂いた。
佐藤邦子さんと言う。 快く引き受けてくださって、現地でお会いした。(写真右端)
例によって予習の苦手な僕は、いい方が見つかってよかったな~と言う感じで現地に赴いて驚いた。この女史、ハンパじゃなかったのだ。
カトリック系の日本の組織JMLLから、東ティモールのAFMETに赴いて4年目になると言うがテトゥン語はもうペラペラ、もちろん英語も堪能。それ以上に驚いたのは、現地での彼女の顔の広さと、活動の真摯さ、極めつけはNGO活動に関する考え方の深さだ。
後で気がついた。佐藤さんは2005年に赴任されているから、2006年のあの時の騒乱を身をもって体験している方だった。
ヒョンナご縁で知り合って、大いに学ばせていただいたことの数々は、これからゆっくり、みなさんにもお伝えしていきたいと思う。
東ティモール行ってきました!
昨年の4月に初めて訪問した東ティモール。一年ぶり、二度目の訪問になった。
今回は、2008年からのネピアとユニセフのタイアップによる「千のトイレプロジェクト」で、実際にトイレが出来上がった村を訪ねることと、今年2009年の支援の対象になる(=今はまだトイレの無い暮らしをしている)村を訪ねて、村の人々や子どもたちを取材することが目的。
何もかもが初めてだった去年に比べると、僕らプロジェクトのスタッフもようやく少し様子が見えてきて、今回はずいぶん気持ちも楽で、色々と収穫の多い訪問になった。
首都ディリの空港に降りて宿舎のホテルへ。荷物を置いて早速ユニセフの東ティモール事務所へ。MTG、そして翌日は早朝に出発して、昨年トイレの出来上がったファヒティー村へ向かうことになった。
途中、心なしか、車窓から見る街の雰囲気が賑やかになったような感じ・・・村に着いたら、またまた嬉しい歓迎を受けた。
村人の表情が明るい。子どもたちの様子が元気だ・・・何だか・・・気のせいかな?去年よりずっとずっと・・・・
素敵な元気をたくさんもらうことの出来た今回の訪問の結果は、改めてレポートさせてもらうつもりだ。
本来なら、今回の取材渡航でお世話になったさまざまなみなさんに、お礼を述べるのが先なのだけれど、なんだか嬉しくて嬉しくて、笑顔の写真だけUPしたくなってしまった。


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